今こそ事実に向き合わねばなりません。サプライチェーンの専門家として、私たちは果てしない混沌が渦巻く環境で働いています。インフレは今なお衰える気配がありません。労働力不足は悪化する一方です。消費者信頼感企業の景況感のグラフはどちらもまるでジェットコースターのようです。ロシアとウクライナの紛争が始まって20か月が経ちますが、平和的解決の兆しは見えません。さらに、2023年に米国では23件もの記録的な天候/気候関連災害が発生し、それぞれが少なくとも10億ドルの損害をもたらしました。

Blue Yonder の最新の調査で経営陣の87% が、この1年間に自社の供給網の遮断を経験したと回答したことは驚くに値しません。供給網の遮断が日常化したことは明白です。混沌が続く中で成功を収めるのが私たちの務めなのかもしれません。

Blue Yonder は、混乱をもたらす出来事を排除することは不可能だと認識しています。しかしその一方で、混乱を克服できるレジリエントなサプライチェーンを、目的と意図を持って構築することは可能であると信じています。また、あらゆる供給網の遮断にはリスクと機会の双方が付き物だとも考えています。レジリエントなサプライチェーンを構築すれば、リスクのマイナス面を最小化する体制が整います。そして、さらに重要な点として、機会のプラス面を最大化できるのです。

サプライチェーンレジリエンスの実現のための5つのカギ

製造業者、小売業者、卸売業者の大手数千社との協力を通じて、Blue Yonder はサプライチェーンレジリエンスを目の当たりにしてきました。その実地で得た経験と技術の専門知識に基づき、Blue Yonder は「サプライチェーンレジリエンスのための必須条件」という e ブックを発表し、サプライチェーンレジリエンスを実現するための5つのカギを示しています。

この e ブックを一読することをお勧めしますが、ここでは、今日の無秩序で混乱した世界で成功を収めるために重要だと思われる5つの「必須条件」について概説します。

1. 真のエンドツーエンドのコラボレーションと計画の同期化

あまりに多くのサプライチェーンが、サイロ化した逐次的なプランニングアプローチを特徴とする、異種混在のツールとシステムで管理されています。このようなサプライチェーンは、すべての機能にわたって成果を最大化する、オーケストレーションやコラボレーションで供給網の遮断を解消するようには構築されていません。サプライチェーンレジリエンスには、プロセスの連携、統一されたデータモデル、相互運用可能な統合ソリューションスイートが必要です。

2. シームレスに統合された AI と ML による透明性の高い意思決定

人工知能 (AI) と機械学習 (ML) によってデータドリブンの迅速な意思決定で供給網の遮断を打開できると考える企業が増えています。企業はこのような機能に積極的に投資していますが、AI と ML は、既存のワークフローとプロセスにシームレスに統合されていない限り、すなわち組織の計画・運営 DNA の一部になっていない限り、その能力をフルに発揮することはありません。AI と ML は、規模の大小にかかわらずサプライチェーン全体で供給網の遮断を解決する日常的な役割を果たす、透明性の高い根本的な意思決定機能となる必要があります。

3. サプライチェーンの最適化と自動化による意思決定の強化

今日の供給網の遮断はあまりに急速・頻繁に発生するため、手動による分析では管理することができません。企業に必要なのは、混乱をもたらすイベントを自動的に特定して速やかに軌道修正できる「Always-on/常時稼働型」のソリューションです。レジリエントなプランニングソリューションは対応するだけでなく予測します。そしてこれが本当の競争優位性を生むのです。プランニングソリューションは、多くの供給網の遮断を自律的に処理できると同時に、シナリオプランニングの加速とリアルタイムシミュレーションをサポートし、それによってさまざまな解決戦略の結果をプレビューできる必要もあります。

4. スケーラブルなテクノロジープラットフォーム

サプライチェーンの課題が進化するのと同じように、テクノロジーもサプライチェーンの課題を克服できるよう進化し続けます。そのため、スケーラビリティと拡張性を念頭に置いて設計されたテクノロジープラットフォームを導入することが重要です。柔軟でクラウドネイティブなアーキテクチャ、自動アップグレード、マイクロサービスベースのアプローチ、容易な構成可能性と相互運用性、数百の実装成功例を含む実績があるプラットフォームを探してください。

5. 信頼できるパートナーエコシステム

今日の複雑な供給網の遮断を克服するには、サプライチェーン全体が協力しなければなりません。供給網の遮断は、いつでも、エンドツーエンドのサプライチェーンのどのポイントでも発生する可能性があるからです。長期的なレジリエンスの構築とは、クラス最高のパートナーを見つけることを意味します。すなわち、サプライチェーンに関する深い経験と技術に関する高度な専門知識を持ち、成長のために構築された柔軟なプラットフォームを提供し、独自のパートナーネットワークを介して豊かなテクノロジーエコシステムを構築できるパートナーです。

自身の組織の現状は?

では、この5つの点に関して企業の現状はどうなっているでしょうか。避けられない供給網の遮断を克服する体制がサプライチェーンに備わっていますか。供給網の遮断を克服するのに役立つ新しいテクノロジーソリューションをお探しの場合、そのソリューションはこの5つの必須条件すべてを確実に実現しますか。

Blue Yonder の新しい e ブックにはベンダーの評価基準が記載されており、これを参考にすれば適切なパートナーを選択して真のサプライチェーンレジリエンスを構築できます。また、一連のチェックリストは、サプライチェーンレジリエンスの5つのカギに焦点を当てるために役立つほか、レジリエントなサプライチェーンの設計に積極的に取り組むにあたって確実に、経験と実績を併せ持つパートナーを選ぶことができます。

このチェックリストには、テクノロジープロバイダ候補に尋ねることができる重要な質問が用意されています。次のような質問です。

  • 提案されたテクノロジープラットフォームは、社内外からどのような方法でデータを統合、抽出、共有するか。
  • そのソリューションを使って、どのように組織を横断して協働できるか。
  • そのテクノロジーは、現実データに常時アクセスして市場の状況をほぼリアルタイムにシミュレートできるか。
  • そのテクノロジーアーキテクチャは AI およびパフォーマンス最適化と互換性があるか。
  • 新機能が利用可能になったときにソリューションのアップデートとアップグレードはどのようなプロセスで行われるか。

e ブックに記載されたチェックリストを利用してチームと協働することで、自社の現状とあるべき姿、既存のソリューションの欠点、自社のサプライチェーンに取り入れてレジリエンスを向上させ、パフォーマンスと戦略の強化を図るために必要な主要機能を理解できます。

新しいベンダーを検討するときには常に、自身の業界で参考になる顧客について確認してください。どの企業も、独自の供給網の遮断やその他の課題に直面しています。しかし、強力な実績を持つテクノロジープロバイダであれば、お客様の業界を深いレベルで理解し、業界固有の構成とワークフローを提供して極めて短期間で成果を達成できます。

レジリエンスを向上させて供給網の遮断を利用

今日の混沌としたビジネス環境では、どの企業でもそのエンドツーエンドのサプライチェーンに意図的にレジリエンスを組み込むことが非常に重要です。何しろ、収益、利益、顧客満足度が危機に瀕しているのです。先進的な企業は、供給網の遮断を恐れてその影響を最小化しようと奮闘するのではく、先進技術を活用して、供給網の遮断をもたらす事象から生まれる隠れた機会を明らかにし、その管理を競争優位性へと変えようとしているからです。

入念な検討を経てテクノロジーを選択してレジリエントなサプライチェーンを構築することで、お客様は「マクロ」のサプライチェーン問題 (港湾閉鎖など) だけでなく、計画を狂わせることの多い日常的な小さな事象 (サプライヤーの配送ミスなど) も克服できるようになります。供給網の遮断は増加しています。そこで、こうした供給網の遮断を簡単かつレジリエントに克服できる能力を強化する必要があります。

サプライチェーンテクノロジーにもっと多くを期待するときが来たのです。詳細はこちらでご覧ください。