今や、需給パターンの変化を予測することはほぼ不可能です。供給側では、供給網の遮断、部品不足、コスト削減に対する圧力がますます頻繁に発生するようになっています。需要側では、顧客嗜好は相変わらず変動性が高く、インフレの脅威の増大とオムニチャネルの増加によってこの状況はさらに悪化しています。こうした事態は、収益、利益、顧客満足度を害するだけでなく、廃棄物削減という持続可能性目標の達成も困難にしています。
内外の課題の深刻さが増す中、その課題に対処する新技術が現れました。Azure などのプラットフォームの登場により、SaaS ソリューションの導入が加速しました。新しいデータ管理戦略は、企業がデータを整理、構成、管理する方法を変えつつあります。さらに、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) の有望性から、多くの企業がビジネスプロセスの最適化と自動化、優れた業績の推進、収益性の向上を目標とした、新技術への投資を強いられています。
データサイロとばらばらなポイントソリューションのせいで望ましい収益性やレジリエンスを実現できない
AI や ML をはじめとする先進技術は、世界のサプライチェーンに革命を起こす可能性を秘めています。AI および ML に対応した最適化エンジンは、エンドツーエンドのサプライチェーンの端から端まで、かつ広範なパートナーネットワーク全体にわたって状況をリアルタイムに監視することで、異常を検知し、解決に向けたさまざまな戦略の結果を予想して、自律的に是正措置を講じることができます。2025年までに大企業の半数が AI オーケストレーションプラットフォームの導入を完了する見込みで、2020年の10% 未満から増加するのも当然です。
しかし多くの企業では、投資の拡大とは裏腹に、こうした先進技術の有望性が具体化されていません。実際に、AI および ML プロジェクトの85% が期待されたビジネス成果を出せていないという報告もあります。その主な原因は何でしょうか。戦略的なデータ管理や適切に設計されたデータインフラストラクチャがないこと、そしてばらばらのポイントソリューションです。AI を活用するポイントソリューションに多額の投資を行っているとは言っても、企業は今なお、数十年前のデータベース、オフラインのアルゴリズム、相互運用性がないか簡単にデータを共有できないシステムに依存している状態です。
すでに、サプライチェーンの最適化に必要な情報はすべて揃っています。しかしほとんどの企業は、サプライヤー、顧客、パートナー、サードパーティのソースから集められたデータの膨大さにただ圧倒されています。さらに、データを収集・調和・分析し、日々の意思決定に適用するためのインフラストラクチャもありません。その代わりにデータは広範なサプライチェーン全体にわたって、ばらばらのポイントソリューションの中に散らばっています。一元化されておらず、アクセス可能でもなく、行動に役立てることもできません。もはや、問題にリソースを投入するだけでは不十分です。データの量と速度が加速しているため、市場がますます複雑化する中で、必要なデータすべてを処理することは到底不可能です。
AI や ML などの先進技術の成否はデータにかかっています。リアルタイムデータをデジタルで取り込んで、需要の変化、在庫レベル、商品の入手可能性などの重要な要因に適用する体制を整えない限り、高度なサプライチェーンソリューションは完全には能力を発揮できません。
Blue Yonder と Snowflake: データアクセスの障壁を打破
Blue Yonder は、データクラウド企業である Snowflake と提携してこの課題に取り組んでいます。昨年発表されたこのパートナーシップにより、すべての共通のお客様は、管理されているライブデータ、業界固有のデータセット、データサービスに大規模にアクセスできるようになります。アプリケーション間の技術的な統合や従来のデータマーケットプレイスで必要とされる遅延、コスト、手間は発生しません。
Snowflake は完全に管理された安全な単一プラットフォームを提供し、統合ガバナンスと柔軟なパフォーマンスを備えたマルチクラウドのデータ統合を実現します。このプラットフォームにより、広範囲のサプライチェーンネットワークとサードパーティソース全体からリアルタイムの知見を取り込んで分析し、データサイロを打破することができます。Blue Yonder の Luminateプラットフォーム と Snowflake データクラウド を組み合わせることで、共通のお客様は、サプライチェーンをエンドツーエンドで可視化し、情報に基づいてより速く、より正確に意思決定を下すことが可能になります。さらに、Blue Yonder の高度なソリューションはこのデータを簡単に取り込むことができるので、アップストリーム/ダウンストリームを容易に可視化し、サプライチェーン全体にわたってほぼリアルタイムに制御・対応することができます。
統一されたデータソースを軸として簡単にデータを共有し、知見に基づいて行動し、より効果的なネットワークを構築
Blue Yonder と Snowflake の提携によって、共通のお客様は Snowflake のデータマーケットプレイスに一元的にアクセスできるようになります。商品価格から気象パターンまで、いつでも照会可能なサードパーティのライブデータ製品を用いて内部データを強化できるので、シナリオプランニングに投入できる情報が増え、ビジネス上の意思決定の精度が向上します。Blue Yonder は、このデータを単一のセマンティックデータモデルに論理的にマッピングしてから必要なフォーマットに変換し、クラウドネイティブサービスで簡単に利用できるようにします。データを移動する必要はなく、アプリケーションの最適な動作に必要なアクセス権はアプリケーションが取得するため、ユーザはサプライチェーンエコシステム全体にわたってサプライヤー、顧客、パートナーなどと協働できます。この結果、真に同期されたサプライチェーンマネジメントが実現します。
Snowflake のデータコラボレーション機能により、別々のチームやソリューションで同じデータを一緒に操作し、AI および ML モデルを構築・トレーニングして継続的に改善していくことができます。こうすることで、需要予測、在庫管理、製品の提供、例外管理などのミッションクリティカルなタスクを、自信を持って実行できます。外部とのデータ共有がシンプルになり、ある企業から別の企業にアクセス権を付与するだけでよくなるので、サプライヤーや輸送業者などの取引パートナー間での遅延が減り、サプライチェーン全体で連携が強化されます。これによりサプライチェーンでは、共通のデータセットを参照しながらほぼリアルタイムに協働、計画、実行できるようになります。
Blue Yonder と Snowflake を利用すれば、共通のお客様はデータ変換に要するコスト、複雑さ、時間を削減しながら、アプリケーション間の相互運用性とクラウド間の協働を実現できます。データの保存コストや、データの移動/遅延はすべて過去のものです。最終的に、共通のお客様は、リアルタイムに得られるサプライチェーンのエンドツーエンドの全体像に基づいて戦略的にコストとサービス成果のバランス化を図り、AI や ML などの先進技術への投資から最大限の利益を生むことができます。
データドリブンな知見をかつてない速度、拡張性、俊敏性で提供
現在のサプライチェーンを取り巻く動きが速く変動の大きい環境では、コストとサービス成果に影響を及ぼすあらゆる要因 (アップストリーム、ダウンストリーム、外部) を監視するのは不可能に思えます。サプライチェーンエコシステム全体から得られた正確・確実なリアルタイムデータと、Blue Yonder の業界屈指のサプライチェーンソリューションの能力を結集させることで、共通のお客様は、例外を特定して、すぐに事実に基づいて早急に対応を進めることができます。エンドツーエンドのサプライチェーンをほぼリアルタイムにオーケストレーションおよび同期することができ、最もインテリジェントでデータドリブンな意思決定を行っていることに自信が持てます。
また、必要なあらゆるデータを手軽に利用することで、はじめてサプライチェーンと広範なネットワークの全方位的な視点が手に入るようになったほか、全体的な製品ジャーニーとカスタマーエクスペリエンスに対する知見も獲得できるようになりました。Snowflake の中核的能力により、従来のデータベース製品よりも高速で使いやすく、柔軟なデータ保存/処理/分析ソリューションが実現し、共通のお客様だけでなく Blue Yonder のソリューションにとっても、必要な知見を簡単に引き出せるようになりました。
Snowflake と Blue Yonder は力を合わせて、さらに多くの現実世界のデータにもっと簡単にアクセスできるようにし、データの変換と共有を劇的に簡素化し、データの実用性を向上させます。これにより、高品質な意思決定のさらなる迅速化、生産性と俊敏性の向上、パフォーマンスと収益性の最適化、サプライチェーンレジリエンスの強化において企業を支援しています。
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